平昌オリンピックより追加されたスノーボード・ビッグエアの魅力

平昌オリンピックより、ハーフパイプ、スロープスタイル、パラレル大回転、スノーボードクロスに加えて、ビッグエアが新たにスノーボードの種目に加わりました。

ビッグエアは別名ワンメイクとも呼ばれるストレートジャンプ競技で、ジャンプ台(キッカー)を使って空中に飛び出し(エア)、技(トリック)の難易度や完成度を競います。

トリックは横方向に回るスピンと、縦方向に回るフリップが基本ですが、近年主流になっているのは両方をミックスした3Dスピン…最近はコークスクリューという名称で呼ばれる高難易度のものです。

また、回転系のトリックの他に、ボードの一部を掴む「グラブ」というトリックも地味ながら採点のポイントとなります。掴む位置で難易度が変わりますが、スピントリックの進化の凄まじさに隠れ近年では難易度より掴んでいる時間が重要視される傾向にあります。

ビッグエアの魅力は、ハーフパイプやスロープスタイルなどトリックのルーティンを考える必要がある種目と違い、一回のエアにライダーが集中するため一回一回が最高難易度のトリックとなる点です。

板やビンディングなどギア性能の進化やライダーの技術進歩、そしてより高く・遠くへ…というニーズから年々キッカーも巨大化、スピンの限界も1080°(5回転)→1800°(5回転)まで伸びてますし、3DスピンにおいてはJ.P.ウォーカーというライダーがダブルコークという縦の回転(実際は縦軸の入った斜めのスピン)を2回入れるトリックを開発してから、一気にダブルコーク・ブームともいえるムーブメントが広がり、現在クワッドコーク(縦軸4回転を入れた3Dスピン)までコンペティションで見られるようになりました。

しかし、こうした高回転化することで競技色が強くなり、スノーボードにおいて重視されるスタイル(かっこよさ)が失われている、と危惧する声があったりするのも面白い所で、トップライダー達は高難易度のトリックに挑戦しつつも自分たちのスタイルを出せるよう今も昔も日々研鑽しているというわけです。

かつて日本ではトヨタビッグエアというビッグエアの大会が1997年~2014年まで毎年札幌で行われていましたが、2014年をもって終了してしまい、ファンにとって大きな大会は海外の物を見るしかない状況が続いていました。

平昌オリンピックでビッグエアという競技に注目が集まり、国内でも海外のトップライダーが集まって競う大会が再び開催されるようになることをファンの一人として願ってやみません。

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